Sunday, March 1, 2020

ボブの話


      心を清めなさい。

  良いことだけを考えなさい。
  誰に対しても悪いことを言ってはならない。
  まして自分自身に対しては。

  
  翌朝目覚めた時
  清らかな水で顔と手を洗いなさい。
  その時 薬草も一緒に顔と手を洗っている。
  薬草は あなたが採るための準備を始めているのです。

  
  薬草に近づいたら 祈りを捧げなさい。
  すると薬草は自然に震え始める。
  薬草が 魂をあなたに捧げる準備を始めたのです。

  触れて棘が刺すのはまだ準備が整っていない証拠です。
  刺さないものはすでに魂を捧げる準備を終えています。
  だからできるだけやさしく採るのです。
  そうすれば 魂はその植物の中にとどまります。


  やさしくその植物の魂に話しかけなさい。
  その言葉は植物の言葉だから意味は説明できないけれど
  よく覚えておくのです。




             クリンギットインディアンのボブがおばあさんから聞いた大切な話

                                         ガイアシンフォニー第三番より

                                  参考:「森と氷河と鯨」   星野道夫著

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