Tuesday, March 10, 2020

4. 精油の元になる植物を意識する



*バスソルト(海塩に精油を数滴垂らしたもの)を一緒に作りながらの会話

万里:生まれたときの目、生まれてこの世を見た時の目、で見て欲しいの。

昔の人もそうだったと思うの。まだなんにも方法っていうのを知らなかったとき、
どうやったらもっと香りが立つかなとか。
たとえば、ここに(ドライ)ベリーとかがあったら綺麗だよねって、まず思うじゃない?
あとスパイスなんかもあったらいいよね〜ってなるじゃない?
その時に入れたくなるでしょう?
ビジュアル的にも入れたくなって、感覚的にもいいんじゃないかなぁと思うじゃない。

結局それがスパイスとして、香りに深みも出るわけ。
それだけをゴロンと入れても、香りが立たないから潰す。ちょっと潰してあげる事で、
香りって立っていく。
そういうのってやっぱり、「かなぁ」と思ってやる事で、ほんとうに自分で、
そう思える。
「そうやってください」っていうんじゃなくて「そう思わない?」というとこよね。
…そういう気づき。

これも(ローズマリーの葉を手に取って)このままじゃ あまり匂わない。
パチンと割ってあげる事で、中に生きていた精油がほとばしってくる。
そういう想像ね。
「割ると匂い立ちますよ」で相手に考えさせる余地なく終わり…じゃなく、どこに香りがあると思う?って。
こういうプラント(植物)のどこにあると思う?
どうやったらそういう袋って割れると思う?っていうところよね。

「こうしてください、ああしてください。」じゃなくて、「どう思う?」ってところが
大事だと思う。

VW:プラントって不思議な形だったり、すごい精妙だったりするもんね。

万里:うん、そう。
ほんとにいっこいっこ違うしね。
そこを自分で感じて引き出していくという、そういう感性ってすごく大事だと思う。
そういうのシェアしたいよね。
みんなと一緒にシェアしたい。

バスソルトはどうやって作るんですか?
はいこうやって、っていうんじゃなくて、こうやったら綺麗じゃない?っていう… 
誘導。
お風呂散らかるけど、いいよね? 




VW:片付ければいいんだからね。

万里:ね。ザルですくえばいいよね。(笑)
そういう散らかったりというのが得意じゃない人もいるだろうから、
売る時は袋とか(ドライハーブが浴槽で散らからないように、ソルトとハーブごと入れる、
布の袋など)つけちゃうの。
そういうのわたし、窮屈なの。商品化ってちょっと窮屈…
「いいじゃん」ってほんとは書きたいの。(笑)但し書きで。
「散らかったっていいじゃん」「詰まってもいいじゃん」ってほんとは書きたいけど。(笑)
そこが商品化の窮屈なところ、わたしには。

ちょっとだけ、ソルトの中にほんとうのプラントの姿があることで、
わたしは思い出すと思うの。
みんながこういう精油瓶を、これは「精油の物質」だという概念を飛び越えて、
ほんとうは植物という、いのちだったっていうことをね。
これだけで、大事な事を思い出すところに誘導してもらえる。

VW:ほんとだよね。お風呂に入ると手に取って見るよね。
入ってゆっくりしているから、しみじみ見たりするよね。

万里:そうなの。ほんとうはね。
ほんとは精油じゃなくてね、こういった…ローズマリーだったら、
ローズマリーを庭なり外から切ってきて、お風呂に入れるほうが、
もっと原始的なやり方じゃない?
蒸留されたものを使うんじゃなくて。
そこをわたしは絶対忘れたくないの。

いまわりと、この精油をお料理に使ったりするのが、流行ってきたりしているんだよね。(2013年現在)
ある特定のメーカーで提案していて。
ローフードなんかでも、今、そのメーカーと提携しているのかな? 
精油を使ってっていう提案が、あるの。
それはそれで楽しくていいし、忙しい人やお庭の無い人、
自然からかけ離れた都会暮らしをしている人には、いいかもしれないけど、でもわたしはそれをするんだったら、本物のハーブを使いたいの。
使いたいし、ほんとは急がしすぎない自然からかけ離れすぎていない生活をみんながするような、そんな地球になったらいいなーーーと思っているの

本当は、人の暮らしは一歩外に出れば、草木やハーブがすぐ手に取ることができ、それを採取して、料理やその他の暮らしに役立たせたり… といった、自然に関わった暮らしが、本来の在り方だと思うから。

だから精油を料理に使うんじゃなくて… 本当の、植物そのものを、
まず使う生活で在りたいなとは思う。

日本のアロマ環境協会では、もちろん精油の口内摂取は禁じられているの。精油は店頭に普通に売っているし、あるブランドに関しては、メーカーの謳い文句そのものを信じて、成分の知識などないまま口腔摂取したり、原液を肌に塗ってしまうことも多々あるのが現実。それはとても危険であると思う。知識云々も必要な時は、必要。
でもその前に、人間としての本能を、しっかり持てるようになりたいと、思う。精油のような、凝縮された成分って、どういうことなのか。
それを身体に取り入れることって、どんな風に感じるか。今までの人間の歴史、営みの中で、そういうことはあったのか。
例えばハーブそのものは、神様が、そのまま地上に与えてくれた姿だよね。精油に比べたら、成分も、凝縮された精油よりは自然に近い。そういうことを、本能的に認識できる生きもの(人間)でありたいの。そして、こういう、ほんとうの姿を忘れない生活をしたい。

精油はある意味ね、またちょっと違う役割があるからね。






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