Friday, March 13, 2020

1. Medical Herb 薬草



メディカルハーブとは、わたしにとって
「薬効」という形で現れた”植物の髄” のひとつの働きである。


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VW:万里さんにとって精油とメディカルハーブの区別みたいなものはなに? 

万里:メディカルハーブもアロマ(精油)も、植物の成分を使って私たちの健康や美容やいろいろに役立たせてもらうものだけど、一番の特徴は、アロマもメディカルハーブのカテゴリーに含まれるということと、アロマは「芳香」が際立つ分、そこでの役割も大きいということ。
どちらも薬用植物の成分とスピリットが抽出されたものだけど、
メディカルハーブとアロマとは、まずはその成分を取り出す手段が違うのよね。アロマはビジネスになると、量産するために大きな蒸留器で蒸留したり、それなりに大規模な設備も必要で。一般的には、私たちは自分たちで蒸留はせず、精油を購入する、という形で取り入れることになる。でもメディカルハーブはもっと身近かもしれない。
わたし達も家にいながら、彼らを溶かせるの。

VW:溶かせる?

万里:精油は、蒸留して得るのよね
アロマの精油って、機械で水蒸気蒸留とかね、溶剤っていうのを使ったり、
素材をグルグルと回したりして(柑橘類などは圧搾法と言って機械でぐるぐる回して精油を取る手段を用いる)、そのエッセンスを取っているんだけど、やっぱり機械がないとできないんだよね。
家庭用の蒸留器っていうのもあるんだけど、あまり一般的じゃないでしょう?
でも、メディカルハーブはつけ込んで、自分で溶かせるの。
(ハーブを油やアルコール、水に浸出して成分を出すため)
一番皆さんにもポピュラーなのは、ハーブティーとかね。
水やお湯に浸すから「浸剤」って言うのだけど、ハーブティーも
メディカルハーブの有効成分を溶け出させて、摂取させて頂くひとつの方法。
機械がなくても、民間療法の原点っていうかね。
それでいて一番身近にハーブを扱える…個人でも。

VW:メディカルハーブの歴史の流れの中で、万里さんが一番興味のあるのは何?

万里:メディカルハーブの歴史を辿ったら、それこそ紀元前にまでさかのぼるけれど、今のメディカルハーブの形式の礎のようなものの元になったのは、民間療法じゃないかな?
個人的には、僧院医学に非常に興味があるので、
今のメディカルハーブの源泉として繋がりを見てしまうことは多くある。


*メディカルハーブの歴史は古代からあるが、ギリシャ、ローマその後アラビアに推移し、アラビア医学や錬金術と融合していき、中世には修道院、僧院医学に繋がっていく。いま民間療法の一つとして体系化されているメディカルハーブの概念は、その歴史の流れの中の一つであった、中世ヨーロッパでの僧院医学にあると言う一説も、ある


VW:じゃあ昔は、修道院が病院みたいな役割を果たしていたの?

万里:うんうん、正に、そう。

VW:じゃあ具合が悪くなると修道院行って。

万里:うん。そう。だからそのあとの時代に、学校なんかもできてきたけれど(イタリアのサレルノ医科大学など)、その前は全部僧院。
いま、わたし達が扱っているメディカルハーブの形の原点みたいな…そういう認識なの。
その時の流れできたメディカルハーブが、こうやって人のために役に立つ姿で、わたし達が一番扱いやすいのって、
やっぱり自分たちでアルコールとかオイルに溶け込ませる形で。
(浸出したり、煎じたり)
蒸留となるとね、やっぱり機械とか…特別な環境が必要になっていってしまう。
だから精油の場合、個人で蒸留という、事の始まりから関わる事ができにくく、こういう精油瓶というカタチで「購入」することになる。

個人でやっている人もいるけれど、それなりの素材の量が無いと蒸留できないのよ、たくさんは。
そういう意味でちょっと遠い世界。すごく贅沢な世界でもあるし…
身近とは言いがたい。
メディカルハーブがアロマに比べたらあまり香りの楽しみが無い代わりに、アロマは香りの存在も大きい。植物の持つキャラクターも、それぞれが持つ香りによって、判別しやすいし、扱う私たち人間にも親しみやすく、楽しさも生まれるよね。




VW:メディカルハーブは飲用?飲むの?

万里:飲むこともできる。つけることもできる。
それこそ(たとえば煎じたハーブを)お風呂なんかに入れちゃう人もいるよね、手っ取り早い方法としてね。
ただその実感は湧きにくいと思う。
(香りがアロマほど強くなくて、味もそんなに際立たないものもある、という意味で)


VW:どういう形で病気を治していくんだろうね、メディカルハーブは。

万里:一つ一つの持っているハーブのチカラが、その症状にマッチって言ったら変だけど、補い合う形で浸透していったときに(治していく)。

VW:皮膚から入っていくって感じ?

万里:そう、皮膚からも入っていくし、飲めば内蔵から、血管…だよね。
ただね、アロマもそうだけど、これに効くって(本とか説明書に)書いてあったりするじゃない?
でも、効かない時もあるよ。ほんとに。
それは症状にもよるけど、他に原因がある時。
皮膚にただ塗るだけで治まることを、病気が求めていないときは上滑り。
塗っても全然働きかけない時がある。よく生徒さんに話すんだけど、その人その人が、「気づかなければいけないことがある時」は、ハーブがまったくワークしないことがある。特に大人の場合。

時々… 症状見ていてわからない? 
見ていると「これは塗るだけじゃダメよね」って。
内面から(病気の原因が)きていることがあるでしょう? 
それは、何かの気づきのために病気が起こっている時
反対に、”自然療法に目覚めなさい”っていうサインが出ている人には、
すごく効いたりするの。
あとはこういう方法を愛している人とかね。
そういう人にはすごく作用したり。
だからこれだけが効くっていうものではないよね。 その時々に… 必要な時に。







  1. Medical Herb by Thevisionwalker

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